内地と外地と扉をつける女の夢

夢を見た。そこには内地と外地があって、俺は外地に住んでいて、
毎日、内地の中にある何かの施設にバスで通う。
その施設は何かのイベントを近日に控えていて、扉が1枚もない。
イベントが近づくと内地に女が集まってくる。
女は扉をつけるのが巧いので、施設の穴という穴に扉をつけまくる。

女はつがいになって扉をつけまくりながら、施設に寝泊りする。
ふだん寝泊りしている男は、代わりに外地にある女の巣へしぶしぶ出かける。
そこで、施設で扉をつけている女の代わりに子供と遊んで暮らす。
内地は線路で取り囲まれた土地で、内地の中央には、
さらに高い針葉樹林で取り囲まれた線路がある。

夢の中の俺が男か女か知らないけど、バスで内地に向かっていて、
内地の中にある見えない線路のことを考えている。
でも踏み切りを越えて内地に入ってからは、
考えてはいけないことだから考えるのをやめた。

施設についてから、女が扉をつけるデモンストレーションを見せられた。
片方から見ると綺麗なのに、その扉を通って後ろを振り返るとガタガタに隙間が空いていた。
ヘタクソめと思ったが、通り抜けたそこは集団寝室で、
ベッドとか布団がたくさんあって、でも誰もいなかった。

それぞれの場所は3畳くらいの広さに区切られて、
ネットカフェのように仕切りが人の背丈くらいで切れている。
天井1枚は全員つながっている。
俺は本当はそこにいてはいけないような気がするんだけど、
一番奥の隅のスペースまで移動すると、ベッドの上に立って、
仕切りの上から大部屋の向こうを眺める。

この区切りのひとつひとつにもすぐに扉が取り付けられてしまうなと思っていると、
向こうの端に見える窓に人の顔が浮かび上がってくる。
俺は自分自身の顔なのではないかと疑って見つめていると、
動き出してこっちに向かってくるのでパニックになるが、
それは俺の顔をしていることに気づき怖くなくなる。

俺の顔をした動くものは、高い位置にあった窓に顔が透けるほどの、
天井に頭がつきそうな巨人だった。
それが大部屋の仕切りの中を覗き込んでいって、
扉のついていない区切りの中のベッドの中で、
ペアになって息を潜めていた扉つけの女のつがいを引きずり出して、何かをし始めた。

(あの女たち、さっきまでは居なかったはずなのに) と俺が思っていると、
だんだん何をしているのかわかってくる。
わかってくるにつれて、あの巨人を操作しているのは、この自分なのではないか、
その証拠に自分は見つけ出されて非道なことをされたりしないような確信があったから。

そこでアラームが鳴ったのでおしまいです。

20120225